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負け犬の遠吠え

負け犬の遠吠え 人気ランキング : 4456位
定価 : \600
販売元 : 講談社
発売日 : 2006/10/14
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : \600

「狂犬の断末魔」よりは良いけどね

現在「勝ち組」、「負け組」等と普通に使われているが、そのキッカケを作った記念碑的作品。こうした二分法は一般に危険なのだが、作者は自分を「負け犬」の組に入れて評論する事でこの危険を避けている。この手法は上手いと言えば上手いのだが、書き手として卑怯だと思う。こうした立場で書いている事で、本書が「負け犬」への応援歌なのか、自虐的な揶揄なのか中途半端な内容になってしまっている。本書で笑ってしまったのは、TV「アリー・myラブ」の件だけである(私も観ていたのだ)。どうせなら、自分は「勝ち犬」と宣言した上で、「負け犬」批判をして欲しかった。その方が刺激性があって、面白かったと思う。今のままでは何時まで経っても抜け出せない"ぬるま湯"だ。

本書を読んで一番感じるのは、女性が同性の目を過度に意識することだ。男の私としては、何となく想像はできても理解はできない。男で同性の目を気にする奴はいない(だろう)。本書で一番含蓄があったのは"あとがき"中の以下の言葉である。「四十代になって、今後はまた違う地平が見えてくるのだと思います」。今50才の私は余計にそう思う。

それにしても、このような本が出版され、しかも話題になるとは日本って何て平和な国なんだろう。「負け犬の遠吠え」が煩い国は、「狂犬の断末魔」の叫び声が響く国よりずっと良いからね。

時代の変化は負け犬に適応している?

2003年に刊行され、
2004年に流行り、
2005年にはドラマ化されたりした話題本。
それだけに面白く読みやすい。
おそらく読者が男性であれば年齢が30代後半であったり、
女性であれば自分は負け犬であるという自覚があったり、
この本に書いてあることをより実感を持って感じれる人ほど、
引き込まれる気がしました。
っちゅうことで、20代後半に私にはものすごく面白いと言うほどではないのですが、
でも友達が結婚しはじめた年代である自分にも、
それなりに実感を持って読める部分もあり、
負け犬の立場、世間から下と見られている立場からのこういった告白は爽快です。
本書において負け犬作品として紹介される
ブリジット・ジョーンズの日記やセックス・アンド・シティを見てみたくなりました。

いやでも本書で負け犬たちがシンパシィを感じる最後の大物として紹介されている
サーヤこと紀宮様はすでに結婚していたり、
役所がお見合いパーティーを開催したりするようになっているから、
出版されてから現在に至る短い期間にも、
ある程度負け犬業界にも変化があるのかもしれません。

歴史的資料

単行本から3年たって文庫化されました。一般的に「時代」を語ったものは時間とともに陳腐化を余儀なくされることが多いのだが、本書は数少ない例外といえるだろう。

20世紀最後期から21世紀初頭にかけての、日本社会における女性のあり方を記した歴史的な資料として、後世大きな評価を受けること間違いなし。(笑)

斉藤美奈子のモダンガール論などとあわせて読んでおきたい一冊。

怖いヒトだと思う

こう書くと大げさな比喩になるのでしょうが、私は、酒井順子氏のエッセイを読んでいると、ロード・オブ・ザ・リングの冥王サウロンの瞳などを憶いだします。自虐ギャクとも受けとれるユーモラスな観察力も、その恐ろしいほどの〈視線〉の賜物ではないかと感じられるのです。決して「計算高い」という意味ではなく、むしろ計算高い自分自身をも突き放してしまう冷徹な観察眼、といったらいいか。酒井順子氏の本には、そんな〈視線〉で自身をとことんまで追い込んでしまい――つまり自身の〈視線〉によって逃げ場のない場所に追い込まれたあげく、ギリギリのところで反転して生み出された〈笑い〉……そんな鋭利な軽さが漂っている気がします。

哲学者思想家という人たちは、陳腐なコトバに新たな定義づけを行ない、まったく新しい概念を生みだす、という意味のことを読んだことがあります。酒井順子氏もまた「負け犬」という陳腐なコトバに新たな定義づけを行ない、そのことによって一種のブームを呼び起こしました。この本の「負け犬」の定義が、一連のブームのなかで正しく理解されたわけではありませんが、本に書かれているはずのことと、読者たちが理解しているであろうこととのギャップも、この作者ならばきっと観察して楽しんだだろうなと思います。

文庫化に際して「オスの負け犬」との座談会も収録しています。酒井順子氏は「オスの負け犬はなぜメスの負け犬を選ばないのか?」という疑問をぶつけますが、しかし反応はいまひとつ鈍い。その空振りっぷりが答えになっているのでしょうか。

文庫版特典「オス負け犬たち4人との座談会」が面白い!

文庫版特典「オス負け犬たち4人との座談会」が面白い!
単行本と中身は変わらないので、書評は単行本の方で十分だとは思いますが。
「負け犬」は女だけじゃない!「男だって負け犬じゃないか!」と思ったりした方。
文庫本にだけ付いている「オス負け犬たち4人との座談会」は面白い!
まあ、これも、「IN☆POCKET 2004年10月号」に掲載されたものの再収録ですが。
あと、林真理子の文庫版の「あとがき」が面白い!
それくらいでしょうか。
もう、この本の「旬」は過ぎたかもしれませんが、読む度に、何かを感じでしまう、
永遠の「負け犬本」なんでしょうね。